宝いぬ-宝塚大好き家族がつづる公演レビューブログ

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この愛のゆくえ 

2017/01/19

 

今年はたくさん本を読む(365冊以上)という目標どおりに結構なハイペースで読書ができています。

読んですぐ感想を書けるわけではないですが、

自分の備忘録として読了した本の感想も書いておきます。

ポケットアンソロジー この愛のゆくえ (岩波文庫)

マーク・ロスコの作品の表紙が印象的な

岩波文庫別冊21 ポケットアンソロジー

この愛のゆくえ  中村邦生編

宝塚ファンの乙女心?をはげしくゆさぶるタイトルのせいか思わず手に取りました。

いろいろなを描いた国内と海外の作家さんの短編アンソロジー。

読んでみて気が付いたのが私以前、読んだことがある・・・なという既視感。

大学の図書館でかりて途中(5分の1くらい)まで読んだことがあるなと思い出しました。

ありゃりゃ~(/ω\)昔から読書の傾向変わらないわ~

1から5までに数字がふってありますが、もちろんどこから読んでも大丈夫です。

魔法の庭 カルヴィーノ

一貫して綺麗で幻想的な世界観だけど、病弱な少年の登場から、結局交わらないで終わる仲の良い二人組の子供との関係性にかえってきゅっと胸をしめつけられます。

カルヴィーノの作品は購入したけど、だいぶ前から未読のものが3冊もあるので今年中に読みたい。

いたずら チェーホフ

甘ずっぱいです。語り手の男性の最後の台詞にそれがあなたの初恋だったんだよって言いたくなります。
初恋の思い出は不可侵です。

燃ゆる頬 堀辰雄

中学の時に読んだヘッセの車輪の下のキスシーンにときめいたことを思い出しました。
美少年といえば、病弱なお坊ちゃんというイメージはこの時代の文学作品からきてるのかも。

星 ドーデ―

タイトルどおりにロマンチック。
主人公と羊飼いと憧れのお嬢様とのプラトニックな思い出。

雨のなかの噴水 三島由紀夫

個人的には一番好きかも。
自意識過剰でめんどくさい男子を書かせたら三島由紀夫の右にでるものなし。
ラストのカタルシスが何とも言えないです。

古屋兎丸先生に漫画化してほしい・・・

ささやかな愛 マンスフィールド

青春は死んでなどいなかったというラストの言葉が印象的。
青春が美しく感じるのは遠い昔に過ぎ去ってからですよね。

きりぎりす 太宰治

なんか屈折した愛だなとも感じるけど、すごいわかるわ~と語り手に共感できてしまうのが不思議。

ミュージシャンとか、作家さんとかも、売れる前から好きなほど、みんなが騒ぎ出すとなんだか冷めてしまうということはよくありますよね。

流れ星の光 チェウ・ファン

素朴な物語でなんだかとってもほのぼのします。
登場人物みんなが可愛く感じる。

大島が出来る話 菊池寛

どんな高価なものをいただくよりも、おくってくださった人からの愛を感じられるのが一番幸せだなと思います。

恩人のお通夜・お葬式に出席する時の主人公が感じる気持ちがリアルで、だからこそラストの感動があります。私は泣きました。

国賓 フランク・オコナ―

捕虜と兵士、おばあさんとの間にトランプで遊んだりするうちにいつしか友情のようなものが生まれた。
でも、戦争中の捕虜というものには避けられない運命があります。
これも読んでいてつらい作品です。

バラの花の精 ハンス・クリスチャン・アンデルセン

かわいらしい物語のタイトルと出だしですが、途中から完全にホラーです。
伊藤潤二先生の絵で漫画化してほしい。

土神ときつね 宮沢賢治

タイトルはほのぼの系だし、宮沢賢治だからと思うと裏切られた感があります。
三角関係と嫉妬の話。

マルテと時計 テーオドール・シュトルム

大きなのっぽの古時計~おじいさんの時計~♪のおばあさんバージョン。
さみしさとなつかしさとやさしさが絶妙に感じられます。
ドイツ人作家の作品らしいなと感じる規律正しさです。

交尾 梶井基次郎

白猫二匹と夜警の場面が好き。
その場面が目に浮かんでくる。

恋をしに行く 坂口安吾

魔性の女として評判の美女とプラトニック・ラブをもくろむも、
なぜか関係を持つことになってしまったという話。

心と体って切り離すことは難しいのでは?

春は馬車に乗って 横光利一

余命いくばくもない人との恋愛ってありがちで人気のテーマですが、
文学や映画の中の病人って綺麗で儚く描かれることも多いけど、
実際はそれだけじゃないよなと思います。

死への恐怖から癇癪をおこす妻の姿と見守る夫の心情がリアル。

十日の菊 アーネスト・ダウスン

長年チリにて出稼ぎをしていた男性が大金を稼ぎ、婚約者のもとにかえることなったが、いよいよ会える日がせまった時に自ら命を絶ってしまうというストーリー。

愛したのは出稼ぎに出る前の記憶と写真の中の少女時代の彼女で、今の彼女に会うと恋心が消えてしまうし今の彼女を愛せる自信がないからという理由です。 
やりきれない・・・

帰還 アンドレイ・プラトーノヴィチ・プラトーノフ

戦争が終わり家族のもとにかえれることになった男性。

しかし久しぶりに家に帰ると、彼の美しい妻と子供のことを気にかけて遊びにきてまるで家族の一員のようになっている男性の存在を知り、嫉妬と猜疑心に駆られます。
しかも、彼だけではなくもうひとり妻の精神的な支えになっている職場の上司の男性がいるという告白をきき、家を飛び出します。

妻の気持ちも夫の気持ちもよくわかるけど・・・
家族への気持ちが薄れ、帰還時に少し親しくなった若い女性に愛されることを夢見るなんて・・・そう思わないとつらいからだと思うけど・・・
女もだけど、男って都合のよい生き物だなと思います。

父が乗った電車を雪の中歩きにくい靴で全力で追いかける子供が健気です。
映画のワンシーンみたいに目に浮かぶ。
その姿をみて改心するから一応ハッピーエンドかな?

扉の彼方へ 岡本かの子

同い年の遠縁で学生の男性と恋仲になるも、途中で自分の母と相手が不仲になったため家を出た女性と妻に不倫相手と心中された男性という組み合わせの訳アリ歳の差夫婦の話。
ちなみに夫は妻の父(学者)の弟子ということで、なんだか少しインモラルな香りもする。

岡本かの子の作品の女性って老いも若きも色っぽいですよね。
蒟蒻が食べたくなるかも・・・?

彼 ドリス・レッシング

おそらく潔癖すぎる妻に嫌気がさして、不倫に走ったが不倫相手にも辟易してきた夫。
会えば喧嘩ばかりなのに、離れるとさみしくて仕方がなく不安定になる妻。
妻の友達の助力を得て、なんだかんだいいつつも、元の鞘に収まりそうな夫婦。
なんかこういう夫婦、リアルだね。
また、一緒に暮らせば喧嘩ばかりだろうけど、離れるとさみしいんだろうな。

女体 芥川龍之介

蚤になってはじめて妻の(身体の)美しさに気が付く夫・・・

とうもろこしの種まき シャーウッド・アンダーソン

年齢を重ねてから生まれたひとり息子の事故死を老いた両親に伝える役目を背負った少年ふたり。

息子の死を知らされた後に畑にとうもろこしの種をまきだした老夫婦の姿に見てはいけないものを見てしまったとぞっとするふたり。

そうでもしないと心が壊れてしまいそうだったのかも。

地球の住人たち ロマン・ギャリ

一緒に旅をしている、老人と心の傷により失明状態になってしまった若い女性の関係性は不明ながら、二人がお互いを誰よりも思っているのだけは確か。

救済ニュースNo18附録 小林多喜二

語り手が子供なので、カタカナとひらがなばかりで書かれているので、結構読みにくいです。
彼女の置かれたあまりに悲壮な現状が、読んでいて苦しくなる作品。
丸尾末広先生の漫画みたいに感じました。

源氏の君の最後の恋 マルグリット・ユルスナール

年老いて隠居しやがては盲目になった光源氏を思い続ける花散里(原作は高貴な女性だが、ここでは身分の低い女性としてかかれる。まったく別人として考えたほうがよさそう)の姿が切ない。
ラストも何ともいえないやりきれなさ。

箱の夫 吉田知子

妻・夫・姑の平凡な家庭をかいたような出だしが次々に裏切られていく感じがなんともいえない。
夫と姑の姿を想像するのがかなり難しい。
はじめて知った作家さんですがほかの作品も読みたいと思いました。

解説 中村邦生

解説も面白い。
書くことや読むことを職業にされている人はやはりすごいと思う。

解説を読んで、エミール・ゾラの引き立て役という作品がすごく読みたくなりました。

それと

続・愛のゆくえ

をつくるならということで下記の作品を挙げらているのでご紹介しますね。

初めてのこと ジュール・シュペルヴィエル

苺の季節 アースキン・コールドウェル

子供の領分 吉行淳之介

永遠への長い道 カート・ヴォネガット

昼の花火 山川方夫

外から見たある女子学生寮 ヴァージニア・ウルフ

貨幣 太宰治

侮辱 サアーダット・ハサン・マントー

慎ましき配偶 菊池寛

生命線 カルロス・フエンテス

マッチ売りの少女 アンデルセン

ふたりとひとり 瀬戸内晴美

林檎の熟する時 シュトルム

愛撫 梶井基次郎

犬 中勘助

悲しいだけ 藤枝静男

遺愛のヴァイオリン ダウスン

チョールブの帰還 ウラジミール・ナボコフ

雨あがる 山本周五郎

薬剤師の女房 チェーホフ

山椒魚 フリオ・コンタサル

卵 アンダーソン

アーネストおじさん アラン・シリトー

鬼火 吉屋信子

末摘花 町田康

ゴーゴリの妻 トンマーゾ・ランドルフィ

読書って最高に楽しいな♪と思えたアンソロジーです。



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